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暗闇の中の松明(タイマツ)
前回、自分を客観視するお話を旅行の話に交えてしましたが
他に面白いなと思ったお話がありますのでご紹介します。
「 ある旅人が月のきれいな夜にもっと間近で月を見たいと小舟に乗り沖に出ました。
夜空に輝く月は明かりもない海では更にきれいに見えました。
しばらく旅人はボンヤリした月明かりに照らされウトウトしてしまいました。
ほんの15分か20分位ウトウトして気づくと、あれだけきれいな月夜が雲に覆われ
まわりはどんよりとした暗闇に包まれていました。
更に悪いことに小舟は沖へと流され旅人は方向感覚を失い陸を見失ってしまいました。
旅人は焦り我を忘れ、タイマツに火をつけ、しきりに陸を探しましたが一向に陸の姿は見えません。
彼は更に焦りタイマツを振り続け必死に陸を探し続けました。
しかし彼のタイマツは自分のまわりを照らすだけで一向に陸地を照らすことはありませんでした。
夜中じゅう暗闇の海をさまよった小舟は潮の流れが変わり、運よく陸へと彼を運んでくれました。
思いのほかその小舟は、陸から見える湾内をさまよっているだけでした。
旅館に帰ることができ、ほっと胸をなでおろした旅人に
事情を聴いた旅館の主はこのように言って旅人をたしなめたそうです。
「沖に出て暗闇の中タイマツに火をつけても何の効果もありません。
そういう時は逆に小舟を暗くして、じっとまわりの暗闇を見つめ耳を澄ますことです。
そうすると自ずと陸地のかすかな光が目に入ってきて鳥の鳴き声が自然と陸地を教えてくれます。
自分のまわりを必死に明るくしても、まわりは余計に見えなくなるものですよ。
オタク様がやっていたことは全くの逆効果でしたよ。」・・・と
以上の様なお話ですが・・・・個人に置き換えてみますと
なるほど、人は窮地に立たされた際、自分一人で自らのありったけの力を用いてその苦境を乗り越えよう
と必死に努力します。えてして、そのような場合には、とかく周りが見えなくなってしまっています。
そして自分ばかりが空回りし、ちっとも物事が前に進んで行かない、もしくは悪い方に進んでしまうのが大半です。
そういう時に大切なのは、ふと立ち止まり自分自身の気を沈め、周りをじっと見渡してみる、そして周りの声に耳を澄ましてみる。
そうすると周りが冷静に見え、周囲の人からの声に謙虚に耳を傾けることができるようになってきます。
やがては、おのずと自分のやるべきこと、進むべき道が見えてくる。というものではないでしょうか・・・
沖の暗闇の小舟の上で我を忘れ必死にタイマツを振り続けた旅人の悪い例を見ればよくわかりますね。
ちょっといい話でしたので載せてみました。
いざという時、そんなに人間は冷静にはなれないものですが・・・・
そういう場合に少なくとも、この話を思い出し、少し立ち止まってみるだけでも良いのでは・・・・・
と思うハウス太郎でした。
Posted by ハウス太郎 at
◆2013年05月14日07:38